2024年12月24日
手紙/ラーメン大魔王さん 作詞・作曲/安達充
キミと初めて会った日の ことを今でも覚えているよ
ひとりで空き家に住んでいたキミが
真夏のとても暑い日に 苦しそうなのを見かねて
水をあげたりしたんだ
保健所に 渡すのも ひとつの手だよと 言われた
だけど僕らにそんなつもりはなかった
すでにおじちゃんだった キミに残された時間を
いいものにしてあげたかった
汚れきっていた犬小屋 短すぎて動けないリードも
キミのために整えたりしたね
エサやりや朝晩の散歩 毛づくろいや爪切りが
僕らの日課(にっか)になった
外の世界を知らない キミは散歩をすると嬉しそうで
あちこち歩きまわっていたよね
春の桜並木(さくらなみき)や グラウンドの芝生(しばふ)や
あじさい街道 秋の里山
だんだん歩けなくなり だんだん食も細くなり
とうとう水も飲めなくなった
力尽きて 横たわったキミは どんな気持ちだったんだろう?
よく頑張ったな 僕らと一緒に 過ごした3年という時間は
僕らにとっても 大切な 宝物のような時間だった
ありがとう 僕らの方が キミにたくさん教えてもらった
キミの存在が 僕ら 夫婦を 繋ぎとめてくれたんだ
頑張り屋のキミのために 近所の人たちも毛布や
バスタオルを寄付してくれたね
近所の人の温かさ それもキミがいて初めて
知ることが出来たこと
明日(あす)はいよいよお別れだ 笑顔で見送れるように
涙は 流し尽くしてしまおう
~お父さんお母さんへ10のありがとう~
誰にでもあった、本当の物語
かつて子どもだったすべての大人と、
その子どもたちへ贈る思わず涙が出る
9分34秒の歌の手紙(ソングレター)
[作]安達充(あだち・みつる)[絵]えかきえみ
2011年04月18日発売
1,650円(税込)